パワートレイン
パワートレイン

鋳造と機械加工、組立て

自動車の駆動技術は、この先数年の間で大きく様変わりすることが予想されます。しかし、いつ、どの駆動方式あるいはどのような駆動装置との組み合わせが多勢を占めるのか、まだ分かりません。EV、ハイブリッド、燃料電池への関心は高いものの、しばらくは従来のエンジンが自動車の最も主要な駆動方式であり続けることは変わらないでしょう。なぜなら、代替駆動システムが依然として、エネルギーの蓄積容量や充電スタンドのインフラの整備不足、高額な生産コストといった問題に直面しているからです。さらに、様々な移動のニーズに対応し続けなければなりません。

私達はEVだけでなく今後も拡大するエンジン技術についての専門知識やノウハウを蓄積することで、効率的かつ経済的で、環境に優しいモビリティの世界の創造を目指します。エンジン分野の開発は決して、終わりを迎えたわけではありません。近年は「小型化」がトレンドとなっています。性能の高さを保ちつつ排気量を小さくすることで、燃料消費率の大幅な向上が図れます。このために、エンジンブロックやシリンダーヘッドのようなよく知られる部品が、さらに最適化され、費用対効果に優れたターボチャージャーの製造方法が開発されています。これは鋳造や機械加工、組立てにも影響を及ぼしています。

鋳造:ダウンタイムの削減

小型化は、典型的な鋳造部品としてよく知られる、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフトなどのエンジンや駆動系の部品に影響を及ぼします。これらの部品は小型化されると、より高い負荷がかかります。これはある意味、素材と製造プロセスにとっての大きな課題といえます。鋳造工程は高温にさらさる厳しい環境条件のため、今後もダウンタイムの問題は大きな課題となるでしょう。Balluff の製品は、ダウンタイムの削減をサポートします。Balluff の堅牢な耐熱センサや専用のアクセサリは、鋳造分野においても高い信頼性と優れた耐久性を発揮します。これらによってダウンタイムが短縮され、必要となるスペアパーツも減り、これらにかかるコストを著しく削減します。

鋳造工程のアプリケーション事例

  • 貯蔵タンクの充填レベル制御

    中子造型機では鋳造用のサンドコア(中空にするための中子)を製造します。近年、トレンドである合金の積極的採用もより、主にアルミシリコン合金が使用されます。この製造工程は高い水準で自動化されており、サンドコアの取出しと機械の再起動の際にはオペレーターによる操作が不要となっているため、砂の貯蔵タンクには常に十分な量が確実に蓄えられていることが求められます。Balluff の超音波センサは、非接触式で継続的にサンドバンカーの充填レベルを測定します。その際、センサが埃や汚れの影響を受けることはありません。また、検出範囲が広いため、対象物との距離が離れていても問題ありません。分解能が高くブラインドゾーンが小さいため、極めて精度高く動作します。アナログ信号と満タン・補充を示す2つのスイッチング信号により、充填レベルを継続的に監視します。

    貯蔵タンクの充填レベル制御

  • スライダの確認

    鋳造時の複雑なアンダーカットを行うため、今日では、鋳型の内部には多数のスライダが搭載されています。鋳造された部品が十分に固まった後、部品を損傷することなく型から押し出すため、スライダが終端位置に達しているかを確実に確認する必要があります。非常に高温であるため、ここでは標準的なセンサを使用することができません。Balluffは、+180°C までの耐熱性を備えたメカニカルリミットスイッチで、スライダの正確な位置を確認する経済的かつ耐久性に優れたソリューションを提供しています。これによりダウンタイムを生み出す故障が少なくなり、コストも節約できます。接続部の保護には耐熱ケーブルの採用をお勧めします。

    スライダの確認

  • 充填レベルの監視

    鋳造工場で発生した高温廃棄物の搬送する際、廃棄物用の台車が積載超過状態にならないように、また廃棄物がコンベアの上に落ちたりしないようにしなければなりません。しかし、このような高温条件下では、標準的なセンサは長くはもちません。そこで、Balluff はセンサの寿命を伸ばし、メンテナンスコストも削減できる光電センサ専用の保護カバーを開発しました。オプションの水冷システムにより、最大+160°C まで、センサの動作を確保できます。

    充填レベルの監視

  • コンテナの位置決め

    搬出では、コンテナの位置を監視する必要があります。Balluff の耐高温近接センサは、このような用途に最適です。ハウジングとケーブルは共に 230 °C までの耐熱性を持ち、高温の環境下でも確実に動作します。様々な形状のラインナップにより、狭小スペースでも設置環境に合わせて簡単に組み込むことができます。

    コンテナの位置決め

機械加工:加工サイクルとプロセス信頼性の向上

小型化のトレンドは、将来のエンジン製造の加工と組み立て工程が複雑化することを示唆しています。それだけに、プロセスの信頼性と製品品質の安定が、ますます重要となります。これは、高性能センサやシステム、ネットワーク技術や接続技術によって実現できることです。例えば、マシニングセンタのプロセス監視用センサ、プロセス媒体の充填レベル検知センサ、主軸に搭載するツールクランプ検知用センサなどが挙げられます。また、作業者によるマニュアル入力作業削減で、加工サイクルの向上も可能です。RFIDを活用したTool IDによる工具補正値の自動化は、重要な 1 歩となるでしょう。

機械加工のアプリケーション事例

  • 工具識別と管理の自動化

    マシニングセンタでは切削工具の交換が頻繁に行われています。Balluff のToolIDは工具識別を自動化する非常に効率的なソリューションです。寸法や使用現場、使用時間、摩耗状況、保管場所など、工具に関する全てのデータが、ツールホルダに埋め込まれたRFIDタグから非接触でコントローラへ転送されます。これにより、工具の最適な活用と管理が可能となり、機械稼働率の向上や在庫の減少、不良品製造の削減を実現します。さらにデータはいつでも閲覧可能であり、誤入力や紛失がなくなります。

    工具識別と管理の自動化

  • 主軸のクランプ位置の監視

    最新のマシニングセンタ内で、センサの設置スペースを確保することは非常に難しくなってきました。Balluff の誘導型ポジショニングシステム BIPは僅か14 mmや17 mmの距離を測定し、タイトなスペースでも完璧に統合できます。そのため、このセンサは主軸のクランプ位置監視に最適です。工具がスピンドル内で保持されているか、保持されていないか、あるいはスピンドル内に工具がないかを、このセンサ1つで監視します。例え主軸が回転していてもクランプ位置の継続的な監視は可能です。BIPは主軸内で、横を通過する金属カムの位置を直接検出します。測定範囲を柔軟に設定でき、繰り返し精度が高いため、プロセスの品質が安定します。IO-Link 対応のタイプは、配線の取り回しが簡単で、稼働中でも現場レベルからリモートで診断ができ、パラメータ設定も自動で行うことができます。

    主軸のクランプ位置の監視

  • 確実なプロセスの監視

    圧縮空気やクーラント、グリス、油圧オイルなど、プロセス媒体の監視は、機械加工の製品品質に重要な影響を及ぼします。Balluff の圧力センサが、この要求へ確実に対応することで、ワーク表面品質を一定に高く保たれます。この圧力センサはディスプレイ部とコネクタ部がそれぞれ回転するため、柔軟に取り付けと、楽な操作が実現されます。堅牢なステンレスハウジングにより、プロセス測定に最適な場所への設置が可能です。IO-Link 対応のタイプは、測定値をそのままコントローラに伝送できるため、微調整が可能となります。

    確実なプロセスの監視

  • プロセス媒体の充填レベルの検知

    クーラントとグリスは工作機械にとって、最も重要なプロセス媒体です。これらは、常に十分な量を確保しておかなければなりません。静電容量センサ BCS は、これらの媒体の監視に最適なレベルセンサです。このセンサは、樹脂やガラス製の壁面越しによる非接触、またはアダプタを介しての直接接触で、媒体の満タンや補充を的確に知らせます。さらに、最大10 mm 厚の壁面であれば、各種の付着物、気泡、湿度の影響を補正します。これにより、冷クーラントとグリスの充填レベルを確実に監視することができます。

    プロセス媒体の充填レベルの検知

組立て:品質とトレーサビリティの確保

エンジンは、組立て工程で多くの部品を組み上げて完成されます。エンジンは 一つ一つの手順に沿って完成に近づけられ、最終段階で、非常に高い品質基準に基づいた検査が行われます。部品は、1 つの組立てラインを経由して、様々なバリエーションのエンジンとなります。近い将来、内燃エンジン搭載モデルとEVモデルが、頻繁に 1 つのラインで生産されることが予想されるため、この組立てラインはより複雑なものとなるでしょう。そのため、従業員は全体像を常に把握しておかねばなりません。ここで問われるのは、トレーサビリティと品質管理です。その達成のため、広範囲に及ぶ Balluff の専門的な経験と知識をお役立てください。Balluff の RFID システムを利用することにより、様々な製造手順に関する豊富な情報を、素早く確実に収集することができます。Balluff のマシンビジョンは工程の中にあるエンジンの品質管理の自動化に貢献し、SmartLight は状態を柔軟に表示します。

組立てのアプリケーション事例

  • 製造プロセスと品質データの自動ドキュメント化

    組立て工程におけるすべての作業プロセスを完全かつ確実に記録するには、BalluffのRFIDシステムを導入するのがベストです。RFIDタグをエンジンブロックに直接ネジ留めし、組立てプロセスの全行程を実行します。個々のステーションを通過する際、関連するすべての製品データや作業プロセスがアンテナを介して読み出され、更新されます。すべての情報はリアルタイムでドキュメント化され、常にプロセスの透明性が確保されます。読取りと書込みは自動で行われるので、マニュアルによる入力作業とそれに伴うヒューマンエラーがなくなります。Balluff の高速 RFIDシステムは最大で ISO 15693 規格の 8 倍の速さを誇り、非常に大容量のデータでも最短時間で処理することが可能です。これにより、サイクルタイムを短縮でき、生産速度も高めることができます。

    製造プロセスと品質データの自動ドキュメント化

  • 品質管理の自動化

    産業用カメラはパワートレインの組立てにおいて構造や外観などの品質検査を担い、それらを人間よりも迅速かつ正確に処理します。典型的なアプリケーションとしては、O リングが有無と位置の点検が挙げられます。内蔵されたロケータ機能により、センサを通過する部品の位置がバラバラでも、確実に検出します。さらに、Balluff の産業用カメラはバーコードやデータマトリクスコードを読み取ることができます。これらのコードは、多様性や安全性への要求から、車両に搭載されるほぼすべての部品での印字が義務づけられています。このカメラは搬送システムに簡単に組み込むことができ、部品や組立ての監視を 100%インラインで行うことができます。また、コンパクトで、従来のセンサとほぼ同様に簡単に操作できます。

    品質管理の自動化

  • 製造プロセスを柔軟に可視化

    たとえ組立ての手順が多くても、全体像の把握を怠ってはなりません。Balluff のLED 積層信号型SmartLight は、組立プロセスの状態を柔軟かつ簡単に可視化します。ランニングライトモード、セグメントモード、レベルモードの中から選択することで、傾向やエラーを常に明確に表示させることができます。さらに、SmartLight の個々のセグメントの数やサイズ、カラーも個別に設定可能です。すべての調整や変更は、素早く簡単に稼働中でも行うことができます。これにはメカ的な変更は全く必要ありません。また、用途に応じて、サイズを 3 種類からお選びいただけます。音による通知機能付きの仕様もご用意しています。

    製造プロセスを柔軟に可視化

  • 様々なタスクの管理

    パワートレインの組立てでは、信号の集約、RFID によるデータの記録/トラッキング、空圧機器の切替え、SmartLight による稼働状態の表示など、様々なタスクが絡み合います。これらすべてのタスクを、分散型のネットワークモジュールであるたった 1 つの IO-Linkゲートウェイが一手に引き受けることで、信号ごとに用意していたインタフェースを削減することができます。すべてのインテリジェントなセンサやアクチュエータは、IO-Linkゲートウェイを介してコントローラと接続され、パラメータや診断情報を集中管理することができます。各ポートに搭載されたチャンネルモニタにより、短絡・過負荷・ケーブル断線を個々に検出できます。このように個々の診断を知らせる機能はI/O モジュールとしてユニークなものです。IO-Link ゲートウェイは、ディスプレイ、内蔵ボタン、ウェブサーバーを備えており、ユーザーにとって操作しやすいものとなっています。また、用途によって選べる豊富なセンサ/アクチュエータハブを使用することにより、従来の標準的なI/Oやアナログ信号を出力するデバイスも接続できます。

    様々なタスクの管理

    1. IO-Link ゲートウェイ 2. ネットワークケーブル 3. 電源ケーブル 4. センサハブ(16 入力) 5. IO-Link バルブコネクタ 6. SmartLight 7. RFID アンテナ 8. RFID タグ 9. 片端コネクタケーブル M12、4 線式 10. RFID 片端コネクタケーブル M12、4 線式